【道のり21】美容師として、母になる決意をした日。
独立してひとりの美容室をオープンしてから
数年経った頃。
体調も少しずつ落ち着き
リーマンショックによる不景気の影響などを
受けながらも
お店は、長きに渡ってお世話になっている
お客様や友人・知人や
初めましてと出会うお客様方に支えられて
新しいメニューやサービス、
商品などを取り入れたりなど
やりたい事を自分で選択して取り組み
お伝えしていくことや
感想をいただいたりなど
美容師として
やりがいを感じて
邁進する日々が続いていた。
私の頭の中には当初から
【独立】は美容師をしながら
子供を選択するための場所の確保であり
【事業計画】として3年で起動に乗せる。
その後、子供・出産・復帰を5年以内に。
という、
あくまでも理想のプランを持っていました。
でも実際には。
美容室の経営は毎日は想像以上に忙しく
季節の波、景気の波、体調の波などに
日々向き合い
その先まで考えながらも
今を集中して
エネルギーを注ぎこんでいた。
このまま子供がいない人生でも
自分のお店を守るだけでも
充実して生きていけることも
容易に想像ができるような状態。
そもそも。
「本当に私に子どもを育てられるのだろうか。」
かなりの心配症で、
変に責任感は強い。
自分をコントロールはできるようになったけど
子供は別人格。
「赤ちゃんなんて容易に壊れそうで怖い。」
とすら思っていた。
出産した友人に会いに行っても
抱っこするのに躊躇する私。
周りはきっと小さい子は苦手なんだなと
感じられてしまうような私。
かわいいとは思う。
でも心配!が先にくる。
様々なニュース、事故、人間模様。
どんな子が、どんな状況が、
自分に訪れるのか!?
これはとても大きな賭けじゃないか?
とすら考えていた。
そして、パートナーである旦那は
朝から夜中までほぼ居ない。
休日は平日1日。
ワンオペ確実。
きっと一人で
お店と子育てに翻弄されるだろう。
なんでもしっかりやりたい性格が
自分の首をも締めるのではないかとも
容易に想像がつく。
もちろん全ては想像上。
計画したとしても最後は[授かりもの]。
でも、無計画でありたくない。
でも、ゆっくりするほどの時間はない。
そんな事を考えていたので
話せるお客様との話題は
自然と子供について
子育てについての経験談や考えなどを
聞かせてもらうことが増えていた。
本やインターネットでは分からない
現実的で、想像がリアルにできる言葉ばかり。
大変だったこと。
嬉しかったこと。
子どもがいるから頑張れたこと。
そして、もし私のような状態なら
どうなると思いますか?と聞いたことも。
「……やっぱり無理です〜、不安しかないー!」
と、苦笑い。
「お店を守るため」
という簡単に逃げる道もありつつ
たくさん話しをして
たくさん考えて…
最終的に自分に行き着いたのだ。
自分に問いかけた。
「そもそも独立した理由って何だった?」
「それでその根底が
独立で変わるのはおかしくないか?」
「そもそも社員をやめたいと、
美容師をしながら子供持ちたいと
思っていたのはなぜ?」
…美容師をしていると沢山のお客様と会う。
少なからずお話しをする。
そのお客様の状況に合わせた
スタイル作りをする時もある。
お客様の大半くらいは子供がいらっしゃる。
大きいお腹を抱えて、
出産前にバッサリ切る方がいらしたり、
小さい子を連れて、一緒にカットしたり、
学校のイベントや、その後の進路。
その後、大人になった子供たち。
歳をとっても、誰かは誰かの子供なのだ。
様々な家族や人の状況を垣間見る。
そんな中で。
私も。
私も経験することで
その[子供がいる]という状況や話に
「わかりますー!」
って言える美容師でありたいなって
思ったのだ。
親になって初めて分かることがあるはず。
子育てをして初めて寄り添える悩みも
あるかもしれない。
美容師として
もっとお客様に寄り添える人になれるのなら。
美容師として子どもを育てることは
とても大きな意味があるのではと思った。
もちろん、授からなければ
それはそれで私にとっての美容師像が
崩れることはない。
でも楽な逃げる道よりも
大変でも
そうありたいという道を選びたい。
努力をして、授からなけば諦めがつく。
でも逃げた後に後悔が来ても
戻ることはできない。
年齢だけは平等に重ねてしまうから。
それなら、私は後悔しない道を選ぶ!!
どんなに大変だろうとも
それが私が望んだ道ならば
頑張るのみ。
乗り越えてみせる!!!
…そうやってたどり着いた自分の意思。
やるとなったらスイッチが入る。
そして私はまた
ご来店くださっている
お客様や友人達に話しを聞くのだ。笑
妊娠について。
体調について。
リスクについて。
などなど。
キリのない調査をたくさんした。
1番心配症なこの状況の
この私を落ち着かせるために。
そして、私は未来へ向かって
一歩踏み出そうと決めた。
子供がいる人生って、悪くないかも。
ちょっと楽しみになってきたかも。
そう思えるくらい心境は変化していった。

そんな矢先の
2011年3月11日。
あの日が来たのでした…。