【道のり16】独立準備〜開店まで。
融資決定と同時に物凄い速度で色々なことが進むし、やらなければならない事が沢山押し寄せる!!
テナントと契約すると家賃が発生するので、最短スケジュールで内装工事がスタートし、オープン予定日も決まる。
その間約2ヶ月。
働いていたお店のオーナーに伝えると、
物凄く驚いたものの
「まさかそっちか!てっきりご懐妊の報告かと思っていたよ。…ウチで働いていた子が独立開店するなんて今まで居なかったから誇らしいよ。
頑張って!応援するから。」
と言っていただいた。
しかし、しばらくすると状況が変わった。
「良いスタッフも、外に出るとなると嫌なスタッフになるんだよね。。」
業界の暗黙のルールがあったりする。
それは独立する時は半径何キロ以内はダメ(お客様を連れて行ってしまうから)という理由。
けれど、私はほぼ1対1のように仕事していたので、オーナーも寛容的な感じで
「あなたのお客様はあなたについてるからね。」
と言っていただいたその心境は変化したらしく、
辞める、独立するという話をお客様にする事は許されず監視されるようになった。
さらに業者さんとの取引が難しくなったりと
状況が色々厳しくなったりして悩む事もあった。
そしてスタッフの反応も様々。
「そんなことを考え動いてたなんて全然知らなかったよ!すごいね、頑張ってね!」
と言ってくれるスタッフもいれば、
一切口を聞いてくれなくなったスタッフも。
最後まで複雑な心境がありつつも、
ここを離れることが決まり、
新しい所へ行くのだと思えば気にもならず、
むしろどんどん工事が進む中で
連絡、確認、決断、指示、確認、連絡〜の嵐で
頭の中は大忙し!!
本当は既に職場をやめて準備しているハズの期間もギリギリまで働きながらだったので、心理的な変動の振り幅も大きくて本当に大変だった記憶。。
それでも。
お店の内装や家具、小物から椅子から全てに至るまで自分の思うように考えていいお店作りは、
美術系の私にとってはとても楽しい作業。
テナントデザインやさん、
大工職人さん達、
広告代理店の社長さん、
美容代理店の業者さん、
各種手続き関連で沢山の有能な大人達とコミュニケーションを交わす場が多く
色々なことを助けてくれたり
教えてくれたりして
そんなやり取りもすべて、これまでたくさん悩み仕事に飢えていた私にとっては充実した学びだった。
小さな私だけの夢の箱。
こんな小さくて幼く見える美容師だけど
ここまで来れたんだ。
「もう一城の主人ですからね!
でも内側にちゃんと芯を持っているから
大丈夫だね。自信を持って頑張って!!」
そんな励ましをいただいて
私は無事に退職し
その10日後にオープン。
私を必要としていただけるお客様方を
ここで待ち、ここで精一杯させていただこう!
…念願の素敵なお店が出来上がって
沢山のお花に囲まれて
そのお店の中の大きな鏡に映る
お店の景色とそこにいる自分を見て
心の底から嬉しくて、感動して
心の中でひとりバンザーイ!!!!!
ワァ━٩(*´꒳`*)۶━イ
ありがとう、今までの試練。
ありがとう、支えてくださった方々。
ありがとう、頑張ったよ、自分。
ここに来るまで全ての出来事が
本当に無意味ではなく
繋がっていた。
あの時苦しめられた店長も
あの思いをしなければ
独立するって思ってなかった!
本当につらかったけど、
それが原動力でもあったのだ。
人生って本当にわからない。
その人生を
これからはどうやって生きていくか。
体が動く限り、
私は一生美容師として生きていきたい。
美容師でなければ死んだも同然な私だ。
更なる目標は既にある。
それはまたとても難しいチャレンジかもしれない。
けれど、またどうにかして乗り越えてみせる!
きっと、なんとかなるだろう!!!
一緒懸命に真っ直ぐに生きていれば
きっと。
好きな仕事を
好きな空間で
出来るありがたさ。
それだけで充分頑張れる!!!
…当時32歳になる頃。
普通の美容師なら辞めちゃうような年齢だけど、私はずっと苦労していたから…
これからやっと!
もっともっと美容師の仕事を追求していく。
飽きることなく貫いていく
美容師の道。
2008年6月1日に
独立開店!
前店【HANAMIZUKI 】
をオープンしたのでした。

