【道のり10】2店目に就職!人生で1番過酷という経験をした一年。。
天職だと、技術取得してバリバリ働くぞと思っていたのにまさかの閉店に巻き込まれ、
思わぬ無職になってしまった当時23歳の私。
こんな機会はもう無いなと、
車の免許合宿で1か月沖縄のリフレッシュ!
ひとり暮らしも始めてたのでのんびりなんてしてられないので
免許所得してすぐに面接を受けて、再就職した。
次に働くお店はすぐ潰れるかもしれない小さなお店や、移動の多いチェーン店でもない
中堅の美容室を選んだ。
このお店は移転リニューアルしてすごく繁盛していた。
次から次にお客様がやってきて、お店の中が人で溢れる!
前店で集客に飢えていた私にとっては衝撃しかなく、
凄い!ありがたい!と心底感動した。
そこでまたシャンプーからのアシスタントスタートだ。
もちろんそれは仕方ないことなので、新しいこのお店のやり方を学ぶのみ!!
幸い扱っているシャンプーは優しいもので、ヘッドマッサージなどのメニューが基本にあるのは前店と似ていた。
アシスタントとは言え、その前3年弱の美容室勤務をしてきての、
染み付いた接客や技術、美容師として働けている喜びが全身に滲み出ていたと思う。
私なりの美容師像を築いていくために、大切なことは守っていたつもりだ。
でも割と早い段階で、何となく違和感を感じる。
なんとなく馴染めていない?!
毎日忙しくて、そんなに雑談やお互いの事を話す時間がない。
お店には当時、
・オーナー&奥さん(50歳前後)
・40後半の中年女性の店長。
・26歳くらいのマネージャー
・その下くらいの技術者2〜3人
・さらに私含めたアシスタント2〜3人。
そんな大所帯の中で、中年女性店長が声大きく中心にいて、
皆がその店長の顔色を伺っている。
クセは強いが技術があり、お客様も沢山持っていたので、私は尊敬の気持ちでアシスタントについていたと思う。
だがそのうち店長からの当たりが急に強くなってきたのだ。
「アナタの技術はどこで学んだのかしら?
私が教えた子達のほうが上手だわ。」
「アナタには教えてなんてあげないわ!」
…なんで!?
急に嫌われている!?
そして、しまいにはアシスタントとして付ことしたら、お客様の前で
「アナタなんかいらないわ!あっちに行ってちょうだい!!」
と怒鳴られ、はじき返された。
大事なお客様の前で、お店中の空気が変わるような言動をするのが信じられないのと同時に、そんな場で一方的になじられ、恥ずかしい惨めな経験をした事がなかったので
ひどくショックを受けた。。
それ以降何をどうしても、とにかく気に入らないみたいなキツイ言動を浴びせてくる。。
そして、、さらに他のスタッフはみんな沈黙して私に近寄らない、話しかけてこない。
完全に助けもない、孤立状態。
そんな状況になるなんて思いもしなかった。
前店では1日で馴染んだし、
アルバイト時代もどんな世代の人たちの中でもうまくやってきた。
学生時代もこんなに露骨に嫌われるなんて経験したことなかった。
真面目に、素直に、迷惑かけないように生きてきたつもりだ。
それが何故。。
嫌われるのはきっと何か自分に問題があるのだろう。
自分は何がダメなんだろう。
きっと私がいけないんだ。
そうやって知らないうちに自分を追い込んで、
あっという間に手がボロボロに荒れ始めた。。
(ストレスで免疫機能が低下したのだ。)
薬剤を触ると激痛!
シャンプー終わった後のドライヤーが、切れてる手指をより乾燥させ皮膚が割れる。
泡がついた腕の内側も真っ赤な湿疹だらけ。
手の甲も象のような皮膚、指も全て腫れあがり、
爪はすべて剥がれそうなくらい膿が出ていて、
お客様も貴方のシャンプー好きなのにその手でやってもらうのは気がひけるわ。
可哀想ねと言われる。
こんな手でお客様を触るのはとても失礼なんじゃないか。
そうやって大好きな仕事なのに
手指が全部悲惨なことになって仕事さえも辛くなってしまった。。
そしてまた落ち込むの悪循環。
家に帰れば1人ぼっち。
プライベートも同時にうまくいかなくなる。
悩み苦しい日々。
それでも何故か辞めようって思わなかったんだ。
今はまだこの試練を乗り越えるしかない。
ここで辞めてしまったら、
きっと自分の人生は負けな気がする。
辞めて逃げても、きっとその先にまた何か起きるだろう。
だから此処で、何か、、その為に今は我慢。。。
そう思っていたんだ。
(今ならさっさと辞めちゃえばよかったのに!って思ったりするんだけどね)
唯一の救いは、
時々友人達がお店に来てくれたことだった。
やはり地元で会える友人がいた事は大きい(本当にありがとう!)
そして、半年以上経ったくらいの時に
スタッフの中で忙しくて話す機会が少なかっただけで、ちょっと優しい先輩2人に、
めずらしくご飯に行く?と誘われた。
「店長の当たりキツイけど、よく平気だね?」
そう言われて
今までずっと我慢して流さなかった涙があふれてしまった。
すると先輩達は
「まさか泣くなんて思わなかったよ、そんな子だと思わなかった、
ごめん、そんなに辛かったんだね。。」
きっと我慢してるのが伝わらないくらい、仕事を徹底してやっている強い子って思われてたみたいだった。
その日から少し気持ちが軽くなった。
そして。
ちょうど1年経った頃、店長とオーナー&奥さんにトラブルが起こったのだ!
そしてオーナーは(オーナーは私の事を全部分かっていた)店長に
「貴方は下の子を分け隔てなく指導する役割がある。それが出来ないというなら辞めてください」
と。
そしたら、店長はじゃあ辞める!と言ったらしい。
…そんなに指導したくないのかい。。
その後、マネージャーや奥さんに
「貴方の粘り勝ちね!」
他のスタッフに
「絶対すぐ辞めると思ってたのに、よく辞めなかったねー」
と言われ、すごく複雑な気持ちになった記憶。
でもとりあえず店長が居なくなり、
他のスタッフみんなが目の上のタンコブが取れたみたいに明るく仲良く、いい雰囲気になったのだ。
1年喜んだのは私だけどね!!!
その1人がいるかいないかだけで空気が変わる。
独りで思い詰めることで身体の機能が壊れる。
何かが、誰かが、
ほんの少しだけ変わってくることで
暗いトンネルを抜ける時がやってくる。(こともある。)
そこには
自分の本当に進みたい道(私なら美容師として生きる!)
と信念と何故か強い忍耐力があった私だからこその開けた道だった。
今思い出しても本当に辛い1年だった…。
過ぎた今、店長に嫌われた理由も分かったし(どうしようもない事だったけど汗)
あの時期はきっと大殺界だったのよね、なんて今なら思うし笑
そのおかげで今の私がいると、感謝…まではいかないけど意味があった経験と思っている。
無駄な経験なんて1つも無いと、何年も経った後に心底感じた経験の一つだ。
よく頑張ったよ、23歳の私。
…それからは怒涛の巻き返しをしていく、
そんな話は次回。