【道のり9】美容院へ就職(インターンから閉店まで)
美容専門学校を卒業して就職。
その前に就職活動の話もあるですが、以前似たような事をブログで書いていたのでそちらも併せてどうぞ↓
理想とする美容院に就職できなかったけど、入ってみたら優しい先輩ばかりで、すぐになじんだ私。
こんなに素敵な人達は、なぜここを辞めてキラキラ美容院にいかないんだろう?と思った。
「ここはすごくしっかりと技術を教えてくれるのよ。何年後か、他の美容院に就職した同級生から教えてって言われる。だから数年頑張る価値があるのよ。出るのはその先でも遅くない。」
そう先輩から聞いて、なるほどと思った。
美容師の道へやる気満々だったから、このお店の中で1番早い時間で身につけるぞ!って練習に励んだ。
お客様は『鵠沼の別荘の社長ご婦人』様のような方々ばかり!ちょっとした有名人もいらしたり。
このお店の大先生は昔『家庭画報』の表紙とかをやったことがある人で、女社長は六本木のサロンに立ち、目黒区五本木に支店、そして何故か藤沢に先生が立つ三店舗という会社。
接客も技術も高いものが求められ、
月イチで六本木、五本木店、藤沢店の美容師が集まり、試験を行ったり、研修したり。
休みもほとんどなく痺れるほど緊張の空間だった。
でも若さで乗り換えられた。
しかし
納得いかないことも沢山あった。
私より少し前に、大先生の息子も入社していた。
大先生は分け隔てなくそのレベルに合った事を教えてくださる人だよと聞かされていて、尊敬して信じていたのに、
裏の時間には息子にたくさん教えていたのを目撃してしまったのだ。
今となれば仕方ないと思うが、当時は若いから
ズルい!酷い!くやしい!とすごく思った。
なにせその息子は唯一の年下後輩である私に嫌味や嫌がらせが多かったのだ。
だから抜かしてやる!!(試験の結果を)
と頑張っても、
息子が受からないと私は受からない流れができあがっていた(ヒドイ!笑)
と、就職1年目が過ぎた頃に事件が!!
なんと大先生が本部のマネージャーとこじれて突然辞めてしまった!!
そして目と鼻の先にお店を出したのだ(もちろん息子も連れて)
当日お店は7割近く大先生のお客様。
2割店長。残り1割を2〜3人の技術者。
そんな感じだったので、当然のようにお客様は流れてしまった。。
でも私は密かにチャンスだと思っていた。
お店は少し若い人向けにリニューアル工事すると!!
そして息子がいなくなったから、早く試験も進める!と思ったのです。
しかし、そんなに甘くなかった。
その半年後くらいに店長もやめてしまった!
残った若い美容師数4〜5人、みんな指名なんて多くない。。マネージャーも動かない。
私は1番がむしゃらに働きたくて、
技術を高める経験をしたい時に
お客様が来ないという苦しみ。
でも救いがあったのは、
地元だったので友人達を次から次に練習台として呼んで、先輩に教えてもらったりしていた。
いつしか夜の練習の方が忙しくなって、
この時の友人達が未来にもきっと繋がる大切な人達なのだと思っていた。
(本当に今でも支えてもらっていてありがたい!)
それでも日々は続く。
昼間は「どうすればお客様は来てくださるのだろう?」とずっと考えていて何かしらやっていた。
店内のPOPを作ったり、外看板に手書きで作ったチラシを置いたり、外でビラ配り、近所にポスティングで歩き周り。
1枚1枚、一件一件、どうか来ていただけますように…と心底思ってやっていた。
でも次第に歩き疲れ、、
何でこんなことしてるんだろう?って、
本当にしたい事は美容師として技術を高め、
お客様に喜んでもらいたいだけなのにって……、
しんどい気持ちでお店に戻ると、
相変わらず動かない先輩達。
無性に悲しくなってスタッフルームで涙していたところに先輩が入ってきて、
「ツラいのはあんただけじゃないのよっ!」
と言われてしまう始末。。。
そして、数ヶ月後。
藤沢店の閉店が決まった。
ちなみにその前に社長も亡くなってしまった。
支えである人もいなくなってしまい、
色々と絶望的な状況。
若干22歳だった私。
将来の事を考えたこともあった。
六本木店や五本木店にヘルプに行って、
こっちに来ないかとも言われた。
東京のキラキラした美容院に行こうかなとも思った。
数ヶ月五本木店の寮に入り、下はサロン、上で寝泊まりっていう、私にはありがたい環境と思ったのに、
電車ですぐに渋谷、原宿、新宿に出れる環境だったのに、
涙が止まらなく溢れ出てきた。
何も思い入れのない町に、、
時々新鮮さを感じるけど、
ずっと住むのは違うと感じたのだ。
完全にホームシック!!!笑
私は自分が好きな町で、そこに住む人達をお迎えして、好きな場所で向き合う美容師になりたいんだとそこで私はこういう人なんだと分かったのです。
だから私は藤沢で頑張る!と心に誓った。
美容師まっしぐらで、強い想いを持っていたのに、東京から帰ってきた私は〈無職〉になってしまった。
一生懸命やってきたけど
うまくいかないもんだなと涙して歩いた道。
私の美容師の始まりは
とてもツラいスタートでした。
でも。
次はもっとツラいのよ………(ノ_-。)
(しばらくシンドイ話ばかりだけど、
今は全部報われてるのでついて来て!笑
20年以上前の事なのにホントによく覚えてる。笑)
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