【道のり22】非常な時でも〈美と癒し〉は大事なんだと教えてもらった日。
15年前の3月11日。
私は移転前の小さなお店で
いつも通りお客様のカットをしていました。
ビルの3階の、8坪程度の空間が揺れた。
でも
「地震!?ちょっと大きめで長いですね!!」
と手を止めたくらいで
お店に飾ってるモノが
何一つ落ちることもなかった。
そして
いつも通り笑いながら、カットブロー終了。
お客様が帰られた後
携帯を見たら着信が沢山入ってる!!
たまたま外出していた旦那だった。
そして言われるがまま情報収集のためPCをつけた瞬間、津波の映像が飛び込んできて…。
東北地方での大地震。
津波
火事
帰宅難民
原発
そして計画停電。。
小さなお店をやっている私は
この先どうなってしまうんだろう…
と血の気が引く感覚で呆然とした。
もちろん
それどころではない人達も
たくさんいらっしゃることも理解しながら。
私は。。
まず私はどうすればいいんだ!?
と我に返る。
美容師、美容院経営の立場で情報収集する。
水が止まってる地域では公園の冷たい水で
カラー薬剤を洗い落としたとか、
電気が止まってしまうと、
ドライヤー一台動かすのにすら
発電機があったとしてもエネルギー的に、
設備や状況的にも厳しいことも知った。
カットだけはできる。
でも。
水、電気、明るさが無いと
それ以外何も出来ないんだなと落ち込みました。
その後、
次の日以降のご予約いただいてる
お客様へ連絡をとりました。
どんな状況か?
今後のご予約をどう思っていらっしゃるのか。
そしたら、
「予定通り行くわ!」
と!!!
「こんな時だからこそ、
癒されたい。」
「どうなるか分からない不安な気持ち、
モヤモヤした心を
髪をやってもらうことで
少しでも気が晴れるじゃない?
特にこのお店は癒し系だから。」
と、
次の日も
次の方も
ご予約のお客様が
予定通りご来店してくださったのでした。
唯一、計画停電で電車が止まって行けない!
「行きたいのにーーー(T-T)」
という方がおひとりだけ。
…これには私自身が本当に驚いたのです。
【美容】は
衣食住の次に
ゆとりがある時に消費されるもの。
そう思っていたところがあった。
だからこんな非常時には
後回しになってしまうだろうなと。
この仕事をしている私が
こんな考えじゃ駄目じゃん!!
と焦るくらい
【美容は暮らしの一部】
なんだと
この日をきっかけに
考えるようになりました。
(被害が少ない地域だからっていうのはもちろんあります。)
全て自粛。
全て我慢じゃ
心が煮詰まってしまう!!
いつも通りキレイになれたことで
不安が少し消える。
そういう意味でも
いつも通りにいられることが
【安心】につながるものなんだと
再認識したのです。
老人ホームでも口紅を塗ったり
キレイにする[美容]が
心を明るくする事を知っている。
実際に被災地でもボランティアで
カットやメイクをすると
すごく喜ばれてる映像もありました。
美しく整えられる。
そんな当たり前の毎日が
とても幸せなことなんだ。
美しく整えることは
心を整えることなんだ。
そんな整える大事な時間。
そのための施術をする技術を持って
皆様に携わる仕事なんだと
より一層の使命感を感じました。
この気持ちを忘れてはいけない。
私は美容師として生きていくと
決めたのだから。
精一杯やれる事をやろうと
今一度心に深く思ったのでした。
その後。
水のいらないドライシャンプーを用意したり
お店の水を少し多めに備えたり
ポットのお湯も満タンにしておこう。
もし。
避難生活が身近になった時が来てしまったら。
自分の技術で頭髪を清潔にするなどして
少しでも心が軽くなったり
整えようとする気力につながるならば
精一杯やらせていただくかもしれない。
そういう非常事態が
起こらないのが1番なんだけど。。
いつ何かが起きてもおかしくない。
だからこそ。
これからも
いつも通り
変わらず
安心していらしていただける世の中で
あり続けて欲しいと祈りながら
今をありがたく感謝の気持ちをもって
精一杯の
【美しく整えられる場所】
を提供していきたいなと思ったのでした。
